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医学科臨床実習に「感染症実践コース」を必須科目として導入

 新型コロナウイルス感染症の大流行を受け、医療現場では感染症に向き合う実践力が急速に求められるようになっています。

 従来の医学科臨床実習では、感染対策に関する簡潔なオリエンテーション実施後、各診療科にてベッドサイドでの指導が行われていたため、学生が選択する診療科によって習得すべきコンピテンシー(資質や能力)に差が生じ、感染症の診断から対処法まで一貫した実践的能力の習得に課題がありました。

 そこで、本学では、感染症の臨床推論や診断のアプローチ、感染症に対して安全に対応する能力を体系的に習得するため、感染症専門医がコース全体をオーガナイズしたシミュレーション教育コース「感染症実践コース」を設置しました。これには、全診療科の医師がチューターとして参画しています。教員からの一方向性の教育ではなく、学生同士が考えを共有し主体的に取り組める実践的な学びにより、感染症に対応できる実践的な能力が習得できるようプログラムを構築しました。

top2.jpg 本学では、第6学年の4~7月に4つの診療科を選択して回る「診療参加型臨床実習」があり、その中で、感染症実践コースは全員が必ず受講する必須科目となっています。感染症実践コースで何を学ぶのか、コースディレクターを務めた、感染症専門医である大学病院感染症科の中村造准教授に詳しく伺いました。(取材:法人企画部広報?社会連携推進室)

感染症専門医としてコースをディレクション

大学病院 感染症科 准教授
中村 造 先生

はじめに、感染症実践コースの流れを教えてください。

感染症実践コースでは、全6回の全ての授業で学生6~7人が1グループとなり、それぞれのグループを全診療科から集まった医師がチューターとして担当しました。一般的にチュートリアルはグループに分かれて実施するため、グループ毎に議論の内容や到達点に差異が出やすいのですが、本コースでは感染症専門医がコースディレクターとして全体の統括を行い、その差異が小さくなるようにコントロールしました。

「診断編」ではどのようなことを学ぶのですか?

コース前半の「診断編」では、模擬患者に対する医療面接を行い、感染症患者への問診、診断、必要な検査と適切な感染予防策を学びました。

具体的に第1回、第2回のコースで、まず学生一人が模擬患者との医療面接を行い、他の学生は自分だったらどうするか、どうするとより良いか、何を想定すべきかなどを考えながら観察し、医療面接終了後にチューターのファシリテーションのもと、グループでディスカッションを行いました。これを踏まえ1回目の医療面接では出来なかったことを修正し、2回目の医療面接を実施しました。2回目の医療面接後、再度グループでディスカッションを行い、考えられる鑑別診断や必要な検査、追加で行うべき問診事項、必要な感染予防策についてまとめてもらいました。

医療面接の医師役は、学生が全員体験できるのですか?

1グループあたり4人の学生が医師役をやりました。


第1回の医療面接では、1回目はAさんが医師役をやり、残りの学生がこれを観察?ディスカッションして、その議論を踏まえて2回目はBさんが医師役をやり、第2回では、1回目はCさんが、2回目はDさんが医師役をやりました。

残りの学生は、グループ発表担当(第1回:Eさん、第2回:Fさん)、グループディスカッション書記担当(第1回:Gさん、第2回:Hさん)というように、6~7人の学生が、全員何らかの役割を担当するようにし、主体的に参加する意識付けを行いました。

医療面接の模擬患者役は誰がやるのでしょうか?

模擬患者役は、チューターとして参画した医師が担当しました。模擬患者として専門の人員を模擬患者の会などから派遣してもらうこともありますが、今回はコロナ禍だったこともあり、学内で人員調整をしました。

第1回と第2回の医療面接の違いは何ですか?

第1回の医療面接では、COVID-19疑いの発熱患者の診断を行い、第2回は、第1回とは異なる原因(血流感染症)の発熱患者であることをあえて伝えず、実際には疾患が違う設定にし、それらも含めて考察してもらいました。

「対処法編」での学びはどのようなものですか?

コース後半の「対処法編」では、第3回でアルコールによる手指衛生?石鹸と流水を使用した手洗い、第4回で個人防護具の着脱を習得しました。これも同様に6~7人のグループに分かれ、チューターが臨床で行われているノウハウを含めて実際的な手技を教えました。学生にはあらかじめ準備されたワークシートに確認すべき知識や留意点を学生間のディスカッションを通じてまとめてもらいました。この際に、チューターが過度に干渉するのではなく、各学生の気づきを大切にし、学生同士が相互に学習をし合うスタイルとしました。

第5回では、シミュレーターを使用した静脈血採血やCOVID-19患者にも使用する鼻腔スワブを使用した鼻咽頭検体の採取を行い、第6回では、薬剤耐性菌が検出されている症例を想定し、実際に感染予防策に留意し診察を実施するシミュレーションを実施しました。この回でも同様に、学生はあらかじめ準備されたワークシートに確認すべき知識や留意点をまとめました。

なお、このコース内で習得した臨床推論や診断、手技や感染予防策は、卒業時OSCE(客観的臨床能力試験)の課題に組み込み、到達度確認を行いました。

「対処法編」で出てくるワークシートとはどのようなものですか?

下の画像をご覧ください。症例の設定を提示後、学生が実際にやってみる、確認すべき知識や留意点を学生間でディスカッションする、ワークシートに記入する、チューターが答えを解説する、これを提出してもらい成績として評価する、という流れで活用しました。

*ワークシート詳細はこちら(第3?4回第5?6回)>>

「薬剤耐性菌」が検出されている場合、感染予防策にどのような違いが出るのでしょうか?

標準予防策から接触予防策へとグレードアップします。簡単に言うと、使用する個人防護具の充実度が異なるのと、感染予防策が対象となる範囲が拡大します。この思考を習得できたのか、学生アンケートには、「標準予防策と接触予防策の差が理解てきた」と記載する学生が多く見られました。言葉の違い以上に、現場では実行する感染予防策が異なります。

改めて、感染症実践コースの特徴を教えてください。

大きく、次の4つの特徴があります。

1. 学生が考え相互に気づき与え合うことへの誘導
本コースでは、教員から学生への一方向性の教育ではなく、むしろ学生が自ら取り組み、それを他の学生が観察し、その後にディスカッションを行い、再度シミュレーションを実行するという学生同士の共鳴をコースの狙いとしています。学生個人では思いもつかないことを、他の学生と思考を共有することで、新たな気づきが生まれました。この他の学生との思考の共有により習得した知識や感性は、その後の行動変容にプラスの効果をもたらすと考えられます。

2. 既存の感染対策シミュレーションコース“Infection Control Training Course”を参考としたコース構築
本学では、元来、医師の卒後の生涯教育として、教育部生涯教育センターが主体となり感染対策シミュレーションコース“Infection Control Training Course: ICTC”を運営し、2012年から現在までで合計180回超の開催実績があります。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30253903/)
今回の感染症実践コースは、この医療者用のICTCを参考として、医学部の教育に導入したため、大まかなコースのフレームとコンテンツが既に出来上がっており、その要素をそのまま医学部教育に外挿できた点が特徴的です。

3. 感染症指導医によるコースディレクション
通常、チュートリアル授業は、チューターがスモールグループディスカッションを統括し各グループで完結しますが、今回の実践コースでは感染症指導医がコース全体のディレクターとなり全授業をその場で統括し、グループ毎に異なる視点や気づきが出た際に、それを全体で共有しました。理解が間違った方向に向かった際に引き戻す役割を果たし、また授業の最後に総括として他の学生にも共有すべき事項のまとめや注意点の解説を追加している点が特徴的です。これによりグループ内での気づきを生かしつつ、グループ間の到達の差が大きくならないようにコントロールすることができました。

4. 診療科から医師総勢57名がチューターとして参加
本コースは、感染症指導医がコース全体をオーガナイズした上で、30科に及ぶ診療科から医師を動員し、総勢57名がチューターとして参加している点が特徴的です。これにより各医師による実臨床のノウハウやコツを、直接学生に伝えることが可能でした。また違う視点としては、医師の生涯教育にも役立つ内容であり、教員側も感染症の臨床推論や検査、手技や感染対策を再確認できる副次的効果も観察されました。

最後に、本コースを導入してみて気付いたことや、学生の手応え、次年度に向けて改善していきたいことなどを教えてください。

感染症実践コースは、コロナ禍が後押しとなり、急ピッチで準備し実施しましたが、結果は大成功だったと感じています。
学生同士が議論をする中で、「なるほど、そういう考えもあるよね。」「それ自分じゃ、気づかなかった。確かに」といった気づきを口にする瞬間があり、これは自分だけで勉強していては習得できない印象深い収穫になるだろうと思います。

実際に個人防護具を着脱する順番だけでも、「いや、そっちが先じゃない」「前の授業ではこっちだったんじゃないか」「そっか、ありがとう」といった自然なやり取りが、いざ臨床現場に出て迷ったときの手助けになるのではないでしょうか。医師国家試験に向けて知識を詰め込む形での勉強は嫌というほどやりますが、実技で、しかも同級生同士で手技を習得していく時間はとても貴重なものとなると確信しています。

チューターからも、「自分が学生の時には教えて貰えなかったことが、今の学生には準備されて羨ましい」「自分も勉強になった」などの声が聞かれました。

時間配分などを調整すれば、もう少し込み入った症例シミュレーションや手技が体験できそうです。こんなにも多くの医師を臨床現場から動員できる188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注の強みを生かして、より教育的で実践的な感染症コースを構築できればと思います。

中村先生ありがとうございました。最後に、学生のコメントと、チューターとして参画した医師のコメントを紹介します。

学生のコメント

実習後の学生アンケートの声をご紹介!

■第1?2回 医療面接
?一つの症例に対して一度医療面接を行った後、追加して問診すべき事項をグループで話し合い、もう一度医療面接をする機会があり良かった
?皆で議論していくことで、自分では考えもしなかった疾患や検査をほかの人から学ぶことが出来たことはとても有意義だった
?これまでの医療面接の授業と異なり、時代に即した医療面接を学べた
?グループごとの発表で、自分たちの足りないところを補えてよかった
?問診以外の感染予防策についても気を使っていないといけないという点が分かる良い演習だった

■第3?4回 手指衛生?個人防護具
?今までの実習では手指衛生の正しい手順を知らないまま行っていた。しかし今回の実習では手順を正しく教えて貰えたため、次の機会から自信をもって手指衛生をしていこうと思う
?改めて基礎的なことをやることで意識が付いた
?蛍光塗料とブラックライトで手の汚れを可視化することができ、爪周囲を入念にあらうように心がけようと思った
?個人防護具の正しい着脱を学ぶことが出来た
?個人防護具を脱ぐときにも慎重になる必要があることを今一度確認できた

■第5?6回 検体採取?薬剤耐性菌対策
?状況設定から感染防護を考えることでとても実践的であった
?実際に手を動かし、ディスカッションを行うことで理解が深まった
?標準予防策と接触予防策の違いについて、きちんと理解できていなかったため良い勉強になった
?鼻腔検査の実習は、医師として働きだしたときに役立つと思った
?臨床の先生方に教えて頂いたことが良かった

チューター(医師)のコメント

大学病院 皮膚科
吉田 薫子 先生

現在コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関はこれまで以上に感染防止対策に細心の注意を向けなければならなくなりました。病院内ではMRSAやインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症は職場の大きなリスクの一つです。

今回、感染症の診断とそれに適切に対応する実践的な能力の習得のため、第6学年臨床医に対して感染症実践コースを導入しました。具体的にはCOVID-19対策として患者さんが実際に発熱した場合の対応や手指衛生、防護服着脱の正しいやり方について指導しました。また院内でのMRSAをはじめとする感染症対策についても実際にシュミレーションを交えて学ぶ場を設けました。

感染症対策の知識はもちろんのこと、日頃の行動の積み重ねが重要です。日頃から手指衛生の習慣を身につけることや最新の感染症に対する情報を学び対策をすることに重点を置いて指導を心がけています。

今回の実習で自分の行動次第で感染を防ぐことが出来ると再度認識をもつことができたら嬉しいです。

チューター(医師)のコメント

大学病院 泌尿器科
中森 裕太 先生

今回医学科6学年対象の感染症実践コースにチューターとして参加させていただきました。

奇しくも昨今のCOVID-19感染症の世界的な大流行の為に大きな関心が感染症分野に集まっています。このような社会状況の中で学生一人一人が医師役として医療面接を行い、グループディスカッションを通して様々な鑑別や検査、治療法、適切な感染症予防法などを考えることができ、また互いに意見を出し合うことで、より能動的に感染症について考える機会が与えられ、有意義な時間を過ごせていると感じました。

さらに感染症科や各種専門分野で実際に臨床を行っている諸先生方の様々な観点からの考え方を知ることができ、学生だけでなく私自身にとっても良い勉強になりました。

臨床医を続ける以上感染症への対応は難しいことも多いですが、必須の知識であり、参加者全員にとって良い機会になったかと思います。

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