2022/08/17
看護学科

看護学科でVR教材を開発?授業に導入 ~医学科?看護学科ともに令和3年度ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業に採択

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 本学では「患者とともに歩む医療人を育てる」というミッションの実現のために「基本的技能の実践」能力、「多職種での医療提供ができる」能力の修得を重点目標として掲げており、その実現のために、シミュレーション演習多職種連携教育を積極的に導入しています。
 また、コロナ禍ではVR技術を活用し、医学科では救急医学教材、看護学科では患者への身体診査を体験できるシナリオ教材を開発しており、医学科?看護学科ともに、令和3年度大学改革推進等補助金(ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業)に採択されました。
 今回はVR教材を導入した看護学科の授業を取材、VR教材開発の経緯を阿部看護学科長に、VR教材を体験した感想を学生に聞きました。

(法人企画部広報?社会連携推進室)

【Contens 188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注】 VR教材を活用した授業レポート▼阿部幸恵看護学科長インタビュー▼VR教材を体験した学生の声▼

VR教材を活用した授業を実施

 2022年7月15日、看護学科2年次の看護技術論Ⅲ(フィジカルアセスメント)の授業でVR教材を活用した授業を行いました。患者さんへの身体診査(フィジカルイグザミネーション)を対象の状態に合わせて行い、アセスメントができる能力を習得するために、仮想現実で対象と関わりながら訓練ができるVR教材を導入し、次のような流れで、授業を行いました。

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シミュレーション実習にVR教材を活用するメリット
1.
シミュレータなどの設営など大掛かりな準備が必要ない
2.実施者と患者の仮想現実の中での言動を、個々の学生がヘッドセットを使用すまたは、スクリーンに投影するなど実施していない学生全員が同じ条件でシミュレーションを観察できる
3.実施者が仮想現実に没入しやすく、没入感が高い

阿部幸恵看護学科長インタビュー

今回VR教材の開発に至った経緯を教えてください。

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阿部幸恵看護学科長
 今回、開発に至った経緯としては、これまで模擬患者さんやシミュレータを使ってシミュレーション教育を行う場合には、事例ごとに状況が異なるので、事例を変えるごとに、患者の療養環境を設営し直したり、シミュレータの設定を変更するなど、次の事例の学習に進むまでの準備に時間とマンパワーが必要でした

 そこで、学生がヘッドセットを装着し、VR教材のシナリオを選ぶだけで次の事例の学習に進むことができるVR教材の活用を模索していました。そのような状況の中、コロナ禍で臨地実習が難しくなり、VR教材によるシミュレーション教育が注目され、VR作成の技術も飛躍的に進んだことから導入を検討しました。

 一方、VR教材を作成する側は、VRを作成する技術はあっても、ソフト面となる看護学で必要な学習内容(シナリオ)についての知識は充分に備えていないということで、従来よりシミュレーション教育が充実し、多様なシナリオを保有している本学看護学科に、企業からシナリオの作成を依頼され、今回企業と共同での開発に至りました。

今後の展望について教えてください。

 実践力向上のために、低学年からシミュレーション教育を積極的に導入しており、2021年度に全10領域でVR教材のシナリオを作成し、7領域のVR教材を完成させており、3領域は開発中です。
 本学では、机上学修?VR(仮想空間)学修?モデルやシミュレータ使用から模擬患者参加型のシミュレーション学修へと段階的に進み
、看護提供の場や対象へのイメージ化を図ります。全人的な人との関わりを学修の核としたコミュニケーション能力を高める実践的な演習が必要なため、コロナ終息後も様々な教材を利用したシミュレーション教育を導入していきます。

VR教材を体験した学生の声

今回、実際にVRヘッドセットをつけ、VR体験をした学生にも話を聞きました!

問診から触診まで、VR体験による自由自在なフィジカルイグザミネーションに感動

 VR体験は私は今まで経験したことがなく、今回授業にて初めて体験させていただき貴重な経験となりました。
 VR体験で患者を看るシミュレーションは問診から触診に至るまで、とても感動するものでした。自らの姿勢や視線を画面の中できちんと表現できていることで、自由自在に、詳細にフィジカルイグザミネーションを行うことができました。操作する上で困惑したところとしては二つあります。一つは、私の視力が悪いためにレンズ自体の少し立体的な映像がはっきり見えにくかったことで画面を通して見ていた他の学生が見づらかったのではないかと思ったことと、私自身上に述べた事情でフィジカルイグザミネーションを行うまでに時間がかかってしまうことがありました。もう一つは呼吸音が少し聞こえづらかったことです。操作している側と見ている側ではどのように音の聞こえ方に差異があったかは明確に説明はできませんが、そのように感じました。しかし、VRでのシミュレーションを終えてこのVRでの体験が学校だけでなく、気軽に何回も練習できるような環境になるようなフェーズまで到達できれば、大いに看護技術の習得に貢献する可能性があると思い、このような精密で素晴らしいソフトの開発に関わっている方々に感謝を述べたいと思いました。本当にありがとうございます。ぜひ学生全員が体験できるとさらに良いと思いました。体験させてくださりありがとうございました。

VRの患者さんがとてもリアルで臨場感満載

 診察台に座っている患者さんがとてもリアルで臨場感がありました。VRを初めて使用したため、初めは感覚を掴めず難しかったです。ゲームを普段からやる方はスムーズに行えると思います。VRをさらに取り入れた授業を行えば、より実践的に学ぶことが出来ると思いました。

浮腫の触診?バイタル測定など、現実で本物の患者さんと接しているようなリアルな学びを体感

 VR自体、初めての経験で貴重な体験になりました。自分が現実でどこにいるのかわからなくなってしまうほど、VRの世界に入りきって体験することができました。私が一番印象的だったのは、浮腫の触診で、実際にむくんでいる様子がリアルに表現されていたことです。他にも、聴診器や血圧計を実際に手にもってバイタル測定ができることや、心拍音の音の性状の違いまで細かく聴診することができました。VRの中の患者さんですが、現実で本物の患者さんと接しているような学びができました。難しかったことは、操作です。特に、距離感を正しく把握し移動することや、聴診器などの情報収集に使用するものを患者さんに使うときです。また、自分の目線がそのまま、モニターに表示されるため、体験していない人もわかるような目線や、距離を意識するところが難しかったです。
 今回、代表して体験することができてとても楽しく、授業で学んだことの実践につながりました。

自分自身がまるで病院にいるかのようなリアルな体験、細かいところまで触診や視診が可能

 VR体験をしてみての感想ですが、私はVR自体初めての体験だったので何もわからず少しドキドキしていました。装着してみると自分自身がまるで病院にいるかのような世界に入り込んで目の前には患者さんがいて、とてもリアルな世界のように感じました。質問をすると受け応えもしてくれ、思っていたよりも細かいところまで触診や視診をすることができたので、今後学内での演習として用いることでより実際の医療現場に近い状態で演習が可能になるのではないかと思いました。なかなかできない経験をさせていただき、嬉しかったです。

問診を実際の会話のように行えたり、聴診の際の音を聞けたり、より現実に近い看護の実践が可能

 VR体験は初めてで、自分が動くのか機械を動かすのか分からず、最初は難しく感じる部分も少しありましたが、慣れれば簡単に使えるようになると思いました。画面の中の患者さんで視診や聴診をすることができ、より現実に近い看護を行うことができると感じました。問診を実際の会話のように行うことや、聴診の際の音も聞くことができ、とても驚きました。ただ、実際に自分で患者さんの身体に触れたり聴診器を当てたりすることはできないため、VRを活用しながら仲間とお互いに看護ケアを行っていくことで、より実践的に行うことができるのではないかと思いました。

VR教材を活用した授業の解説動画を看護学科WEBオープンキャンパスで閲覧できます!
看護学科の「授業動画」を要CHECK!!

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